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会長メッセージ

世界的な視野で行動し、足元を固めよう!

日本キャリア教育学会会長 三村隆男

 あけましておめでとうございます。2016年10月の総会にて、二期目の会長に就任させていただき、大変光栄に感じております。2018年の総会までの任期ですが、一期目に掲げた以下の5つの重点事業をさらに進め、学会の発展に寄与できればと思います。

日本キャリア教育学会のいっそうのグローバル化を

 2015年9月に日本キャリア教育学会主宰で開催したIAEVG(International Association for Educational and Vocational Guidance)国際大会を契機に、日本キャリア教育学会はIAEVGの会員団体に復帰しました。さらにARACD(Asian Regional Association for Career Development)との関係も回復し、2017年5月に韓国で第12回ARACD研究大会開催にこぎつけることができました。
 2016年に札幌で開催されました日本キャリア教育学会第38回研究大会では、基調講演にカルガリー大学のNancy Arthur先生を迎え、さらに、口頭発表では英語セッションの分科会を設け内外5名の発表者による英語での協議が実現するなど、グローバル化に向けた取り組みが着実に進行しております。英語セッションの分科会につきましては、上越教育大学で開催されます第39回研究大会でも引き継がれるとのこと、大変嬉しく思っております。
 こうした流れを受け、新たに国際交流委員会の設置が実現しました。2015年のIAEVG国際大会ではインド代表理事のGideon Arulmani先生から日本のキャリア教育研究に対し高い評価を得ています。今後は、さまざまな機会を利用し、会員の研究発表によるグローバルなキャリア教育研究交流が国際交流委員長の岡部敦先生の下で実現できればと考えております。

研究地区部会活動の充実

 研究地区部会の活動で2016年度の顕著なできごとは、これまで共同で活動しておりました近畿地区と中国・四国地区が正式に独立し、二つの研究地区部会として活動を開始したことです。これで、北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄と6地区の活動が、地域各々の特色を活かしつつ、キャリア教育研究・実践のより一層の発展に向けて始動したことになります。地区部会の活動は、日本キャリア教育学会の活動の周知に大きな役割を果たします。地区部会の活動を通しより多くの方が、キャリア教育に理解を示し、学会の活動にご参加なさることを強く期待します。
 一方で、研究地区部会の予算が限られ思うような活動が遂行できないことを心苦しく思っております。それぞれの工夫で、日本キャリア教育学会の地域での活動を活性化していただければと思っております。

キャリア・カウンセラー資格認定制度の改善

 1992年、わが国初のこの種の資格として創設されたキャリア・カウンセラー資格についての新たな取り組みが、資格認定委員長の本間啓二先生のもとで継続しております。現在、一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会内の諸学会と資格連携をしておりますが、当学会のキャリア・カウンセラー資格は、その取得者数や認定活動において諸学会から遅れをとっております。
 また、資格取得に関する基礎講座の運営や資格審査に関連する業務をこれまで一委員会で担当しておりますが、すでに限界を超えている状況です。こうした中で、認定資格業務の軽減及び新資格の設置という企画を下に日本キャリア開発協会(JCDA)と覚書を交わすことができました。覚書をもとにキャリア・カウンセラー関連業務を全面的に委託し、さらにこれまでの基礎講座に代替する新資格の計画が現在進行中です。歴史あるキャリア・カウンセラー資格を維持し発展させるため、現在進んでいる計画につきまして、会員の皆様のご理解を得ながら進めていきたいと思います。ご協力の程よろしくお願いいたします。

キャリア教育研究の推進

 既述のGideon先生からなされた日本のキャリア教育研究への期待は、キャリア教育のグローバル化の幕開けを示したといえるでしょう。「22世紀の創造」はドメスティックな視野では実現しません。今後、IAEVG、ARACDなどの国際学会での積極的な発表や、学会研究大会における英語のセッションの設置などがグローバル化につながる一歩かと思われます。こうした当学会におけるキャリア教育研究は、研究推進委員会と学会誌編集委員会がその中核を担っています。
 研究推進委員会には、同委員会委員長の求めに応じ、以下の三点について委員会に依頼することとしました。これ以降は研究推進委員長の浦上昌則先生の裁量の中で選択的にお進めいただくことになるかと思います。
 ①若手育成のための研究推進
 ②長期的に課題に取り組む研究プロジェクトの立ち上げ(国際比較研究など)。
 ③キャリア教育の基礎研究
 また、研究・実践の成果を学会誌掲載の論文や記事を通し発信していく必要があります。その意味で学会誌編集委員会への期待も大きいです。グローバル化の視点から学会誌への欧文投稿も拡大していく必要があるかと思われます。そのため、欧文査読者の必要性から、海外からの学会員の入会も推し進める必要があります。学会誌編集委員長の横山明子先生のもとで、国内外のキャリア教育研究・実践の成果が学会誌を通して広く拡大することを期待しています。

学会の経営基盤の充実

 経営基盤の充実については二点あります。
 一つは、選挙制度の改定で、広く学会員から選ばれた理事による充実した学会運営の実現です。二年に一度の理事・監事選挙の投票率については、前回のメッセージでもその改善を求めましたが、2014年の投票率の24.6%(有権者991名投票者224名)から、2016年の投票率は28.3%(有権者1101名投票者312名)へと若干の上昇にとどまりました。4割を超える類似学会の投票率と比較してもまだ十分とは言えません。そのために、理事、監事選挙において自薦、他薦の推薦制を導入し、さらなる投票率の改善に努めていくことにしました。
 二つ目は、財政的基盤の安定化です。学会の財政については、事務局の努力の成果もあり、健全な財政が維持されているが、学会活動を活発にするためにはさらなる財源が必要となります。学会費の変更も想定されるが、一方で学会員の増加も重要な方策として考えることができます。2016年12月21日の中央教育審議会答申によると次期学習指導要領ではキャリア教育への関心は高く、キャリア教育の実践、研究の展開はさらに強まることが予想されます。また、賛助会員にも積極的に声をかけていきましょう。
 情報化社会の中で、学会の活動を周知し、キャリア教育研究の最新情報などを周知するためには、「メールニューズ」や「ニューズレター」を活用した広報活動が求められてきます。情報委員長の下村英雄先生の下で新たな改革が進んでおり、今後の情報発信の充実が期待されます。

 今期が私にとって最後の任期となります。学会の抱える諸課題について、副会長の川崎友嗣先生、事務局長の京免徹雄先生の執行部を中核とし、理事の皆様のご協力をいただき、全力で取り組んでいく所存です。なにとぞよろしくお願いいたします。