トップページ > 委員会 > 情報委員会 > ニューズレター 第110号(2019.3.29発行)

ニューズレター 第110号(2019.3.29発行)

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 日本キャリア教育学会ニューズレター 第110号(2019.3.29発行)

                   発行:日本キャリア教育学会 情報委員会
                    http://jssce.wdc-jp.com/ 

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 特 集 】研究地区部会長からの挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1月から新体制となりました。そこで、6つの研究地区部会(北海道・東北、
関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)の新代表に簡単な自己紹介と
研究地区部会の紹介を依頼しました。

 
◆北海道・東北研究地区部会 代表:渡部昌平(秋田県立大学)

 来月4月より、北海道・東北研究地区部会の代表をさせていただくことに
なりました、渡部昌平(秋田県立大学)と申します。北海道・東北研究地区部
会は副代表:岡部敦先生、富永美佐子先生、吉中淳先生、幹事:吉野泰正先生、
沼山博先生、中村修先生、竹本由香里先生、松田侑子先生、吉崎聡子先生、監
事:石戸谷繁先生という10名体制で進めていく予定です(2019年3月現在
の研究地区部会会員数は89名です)。
 新体制になってもこれまで同様、北海道で年1回、東北で年1回の研究会
を想定しています。地域が広く交通の便も限られていることから、研究地区
部会の参加者を増やすことには苦労している面もありますが、これからも魅
力的な研究地区部会を開催していきたいと考えています。他の研究地区部会
の皆さんのご参加も歓迎いたします。


◆関東研究地区部会 代表:永作 稔(十文字学園女子大学)

 十文字学園女子大学の永作稔です。このたび関東地区部会長を拝命しまし
た。身に余る大役ですが部会のみなさまのご尽力を賜りながら務めてまいり
ます。

【2019年度の地区部会の予定】
総会および第一回研究会
日程:2019年6月1日(土)を予定
会場:十文字学園女子大学(埼玉県新座市菅沢2-1-28)
   JR武蔵野線新座駅から徒歩8分
時間:13:00~16:30(予定)
 
 上記内容で開催を目指して準備中です。また、8月、10月、11月、翌1月
にも研究会を企画しています。研究発表者および詳細については調整中です
が、ぜひご都合をつけてご参集ください。


◆中部研究地区部会 代表:服部文彦(南山大学)

 このたび理事選挙により、中部研究地区部会代表を務めさせていただく南
山大学の服部文彦です。以前は全国監事をさせていただき、会計処理改革や公
認会計士の折衝など微力ながら、会計事務所経験を少しはいかせたのではな
いでしょうか。
 このたびは理事という大変重責な職務だけでなく中部研究地区部会代表と
して、職責に微力ながら貢献していきたいと思います。
 今回の活動内容は、金沢地区研修の活性化を目標に活動をしていきたいと
思います。さらに研究セミナーも今年度中部で開催することになり、6月30
日の実施に向けて準備をしております。
 是非学会会員の皆さん、たくさんの参加をされること期待してお迎えをお
待ちしております。


◆近畿研究地区部会 代表:家島明彦(大阪大学)

 大阪大学の家島明彦です。このたび近畿研究地区部会の代表を務めること
になりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 近畿研究地区部会は現在2府4県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良
県、和歌山県)で約200名の会員がいます。代表を含めて7名の役員が中心
となって毎年1~2回の研究会を開催してきました。
 近畿は中国・四国と一緒だったのが2017年度から別々になったという経緯
があります。そのため、近畿と中国・四国の研究地区部会は、合同研究大会を
毎年(担当は交互に)開催しており、今年は近畿が担当の年です。現時点では、
2019年7月6日(土)の午後に大阪大学(豊中キャンパス)で開催予定です。
伊丹空港から近い会場(大阪空港駅から最寄り駅まではモノレールで2駅)
なので、近畿と中国・四国のみならず全国からも参加していただけることを
期待しております。是非ご参集ください。


◆中国・四国研究地区部会 代表:長尾博暢(鳥取大学)
 
 中国・四国研究地区部会の長尾博暢(鳥取大学)と申します。このたび部会
の代表を仰せつかりました。
 私どもの部会は、地理的にこそ中国5県・四国4県と広範囲にまたがりま
すが、会員数は現在70名程度と、こじんまりした規模です。長年にわたり「近
畿・中国四国研究地区部会」として近畿地区の皆様と活動を共にしてきました
が、2年前より独り立ちをし、ようやく満2歳、というところです。部会独立
後の年度計画として、年1回の研究地区部会単位の研究会と、これまでの経
緯もあり当面は近畿研究地区部会との合同研究会の開催を予定しております。
 まだまだよちよち歩きの部会ですが、北は日本海、真ん中に瀬戸内海、南に
太平洋と、気候や文化も異なる多様な環境を背後にもつ部会でもあります。研
究においても実践においても、さまざまな取組が部会内に持ち寄られ、真摯な
研鑽と豊かな交流が生まれることを期待し、またそれに資する役割を会員の
一人として果たせればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


◆九州・沖縄研究地区部会 代表:永田萬享(福岡教育大学)

 来月の4月より、九州・沖縄研究地区部会のお世話をさせていただくこと
になりました永田萬享(福岡教育大学)です。九州・沖縄研究地区部会では、
10名の役員体制のもとで4月以降の活動を牽引して参ります。よろしくお願
いいたします。
 2019年3月現在の会員数は88名です。内訳は、大学51名(58.0%)、小・
中・高18名(20.5%)、企業5名(5.7%)、専門学校3名(3.4%)、行政3名
(3.4%)、学生2名(2.3%)、その他6名(6.8%)という構成からもわかる
ように、大学会員が約6割を占めています。10年前に比べると、小・中・高、
専門学校、行政、学生の各会員が減少し、その分大学会員が増えています。会
員数は他の地区と比べて少ないのですが、元気の良い、研究熱心な研究地区部
会だと思います。
 毎年研究大会が行われ、大会テーマは時代に応じて時宜にかなった新鮮な
話題を取り込んだテーマ設定を行い、数人のパネリストによる活発な議論が
参加者を巻き込んで展開されています。ちなみに昨年の大会テーマは「女性の
キャリアと働き方改革」でした。研究大会終了後にはシンポジストを囲んだ情
報交換会も開かれています。

 

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 【書 評】『平等の教育社会学 ―現代教育の診断と処方箋』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『平等の教育社会学 ―現代教育の診断と処方箋』
(耳塚寛明・中西祐子・上田智子(編著) 勁草書房 2019)
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b432309.html

高丸理香(鹿児島大学)
 
 本書で取り上げられているトピックスは、教育にまつわる“不平等”について
である。しかし、教育と不平等という共通点以外には、無業者や就業無気力感、
不本意入学や教育・学力格差など、それらがもつ背景や課題は多様であり、か
つ多数の執筆者によるものとなっている。それにもかかわらず、まとまりのあ
る1冊となっているのは、「はじめに」で述べられているように、本書の目的
が、実証的知見の蓄積を前提としつつ、それらの知を「いかに“平等”に向けた
提言へとつなげるか」が目指されているためであろう。
 第1部「キャリアはひらかれているか?」では、「できれば仕事をしたくな
い(第1章)」「学校から労働へとスムーズに移行しない(第2章)」「親への
依存をさほど問題視していない(第3章)」若者や「進路としての無業者(第
4章)」を指導する高校教員の意識と社会的背景について検討されている。興
味深いことに、“標準的ではない”とされる若者たちは“標準的”な価値・規範に
よって正当性を説明しようとしているようにうかがえる。この背景には一体、
何があるのだろうか。
 その手掛かりを示すように、第2部「格差に挑む」では「親の学歴期待(第
5章・第6章)」、第3部「学歴社会を超えて」では「学歴制度(第7章・第8
章」の視点から“不平等”の醸成について言及されている。また、第4部「子ど
もと教育の最前線」では「発達障害と医療格差(第9章)」「幼児教育(第10
章)」という教育現場と福祉的専門知との揺れやジレンマが描かれている。
 さて、“平等”に向けた教育社会学からの提言とはどのようなものなのだろう
か。第5部「平等の教育社会学」では、編者である耳塚先生が「学力格差の社
会学(第11章)」のなかで、「地域、性別、身分によるリテラシーの格差」から
「家庭的背景による格差」への変化を指摘している。すなわち、現代日本にお
いて、学歴などの実力主義・業績主義とされる選抜が、家庭の文化資本や経済
資本といったもので決定づけられているのであるならば、それは身分や社会
的出自に基づく選抜と同義ではないかとの問いかけである。
 終身雇用・年功序列という雇われ方は終焉を迎えつつあり、副業や兼業、時
間や空間を超えた働き方などの新たな働き方が模索される現代において、そ
れでもなお、根強く残る“標準型キャリア”のシンドロームからは、キャリア教
育を担う我々でさえも逃れられきれていない状況がある。さて、教育の現場に
いる人間として、“格差”を背負う若者の社会的地位達成のために何を志向する
べきか。本書を味読しながら、再度、じっくりと考えたい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━